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川人ゼミ模擬裁判2005

企画情報

企画名:川人ゼミ模擬裁判2005

団体名:法と社会と人権ゼミ http://web01.cpi-media.co.jp/kawahito/semi/semi.htm

場所:164教室

日時:26日(土)13:30〜15:30 , 27日(日)13:30〜15:30

昨年も立ち見が出るほどのご好評を頂いた川人ゼミ模擬裁判は、実際に私たちがある事件に対する裁判の模様を演じることで、皆さんに裁判の雰囲気を感じていただき、また裁判の難しさについても一緒に考えていただくべく最後の判決は観客の皆さんに決めていただきます。忠実性・演劇性のバランスを考え、皆さんに楽しんでいただけるものを目指します。

今年は嘱託(しょくたく)殺人を題材に扱います。自分を殺してくれ、と頼まれた人が実際にその頼んだ人を殺してしまった――この場合、殺した側はどう罪に問われるのか?はたまた罪には問われないのか?自分の願いどおり死ねた(はずの)本人の意思は?遺族の思いは?生きるとは、死ぬとは何なのか?そんな難しい問いかけも出てくるでしょう。

近い将来裁判員制度が導入されます。この裁判劇をご覧いただき、少しでも裁判を身近に感じていただければと思います。判決を決めるのはあなたです、ぜひご来場下さい。

インタビュー&写真

――― 川人ゼミの普段の活動や構成はどのようなものなのでしょうか?

法と社会と人権ゼミ(通称:川人ゼミ)は講師に現職弁護士川人博(専門:過労死問題)を迎え、毎週金曜にゲストをお招きしてそれぞれのテーマについて講演をしていただいたり、学生主体でフィールドワーク(FW)として10数名単位で社会の現場に足を運び、そこに携わる様々な人からお話をうかがったり、という活動をしています。ゼミの全構成員は今年の夏学期で約250名、そのうち大部分が教養学部の1,2年生となっています。

――― ではその人気を誇る川人ゼミの魅力は何ですか?

それは、人によってさまざまだと思います。私にとってそれは、まず東大生として実社会の雰囲気を肌で感じられることです。大学の教室だけでは決して学べないことをFWによって経験できるのは、私には魅力でした。人によってはTVなどで著名な人の生の声が聴けるということもあるかもしれません。

あとは何といっても、ゼミに集まる人たちですね。私自身、ゼミの仲間からは先輩後輩含めてたくさんの刺激を受けてきました。素敵な仲間達だと思います。それも大きな魅力ですね。

――― 毎年駒場祭では模擬裁判を行っているそうですが、なぜ模擬裁判なのですか?

 「法と社会と人権ゼミ」という名前の通り、現代社会における様々な問題について、私達が学んできたことを、東大の外にいる皆さんに伝える一番適切な方法だからだと思います。裁判劇を実際にご覧になっていただくことで、劇で扱うテーマについて考えていただく機会を提供できればと考えています。勿論私達にとっても、台本や台詞を作っていく段階で、裁判について身をもって体験できますから、そういう意味ではワークショップによる学びの側面もあるでしょうね。

――― 今年の模擬裁判ではどのようなテーマを扱うのですか?

私達の共通認識として、現代社会においてはメンタルヘルス、つまり心の病気に対する考え方が非常に重要になっているじゃないかということになったんです。うつ病などは決して他人事の話じゃない。私達だっていつかかってもおかしくないんです。そのような認識を劇に仕上げてみました。

――― 模擬裁判ではゼミに所属する学生が「弁護士」や「検事」に扮して演技をするわけですが、難しいところは何でしょうか?

裁判の現実味を保持する一方で、来場者にわかりやすい劇にもしなければなりません。このバランスは難しいです。それに私達は演劇サークルでもないので、高い演技力があるわけでもありません。忠実性だけを目指しても、観客の皆さんに楽しんでいただけないので、脚色させていただくところもあります。

ただ、毎年感想をいただいた際に、「純粋に裁判にのめり込むことができた」という旨のありがたいコメントをいただいていますし、今回もただわかりやすいだけでなく、内容でも観客の皆さんを劇に引き込んでいけるのでは、と思っています。

――― 今回の模擬裁判で来場者の方に伝えたいことはどんなことですか?

一つはうつ病などの心の病気というものに対して認識を持ってもらうということ。もう一つはまさに生きることと死ぬことという根源的な問いです。今回は嘱託殺人、つまり、「自分を殺してくれ」と頼まれた人が実際にその頼んだ人を殺してしまった、という事件を扱う刑事裁判になりますが、生きることと死ぬことに対して、法はどのように判断するのか、そこに注目していただければと考えます。今回も、最終的な判決には皆さん一人一人の意見が反映されるような仕組みをとっていますから、その問いに対する答えを判決にぶつけていただけると嬉しいですね。

――― 最後に、駒場祭への意気込み、来場者の方へのメッセージをお願いします。

私達は裁判みたいな小難しいことを扱いますが、お祭りですし、来場される観客の皆さんにも楽しんでいただくだけでなく、私達自身も楽しめて良い想い出が作れるといいなと思って練習しています。自信をもってオススメしますので、皆さん是非ご来場下さい。判決を決めるのは、あなたです。


※写真は11月15日に行われた模擬裁判の練習で撮影されたものです。

取材を終えて

駒場祭まであと9日となった15日の夕方、取材として川人ゼミ模擬裁判の練習を見せてもらった。教室の前のほうで容疑者役の人と検察官役の人が立って話す台詞は本番さながら。まだこのときには役者の手には台本があったが、駒場祭本番までには全部暗記するそうだ。いくら自分の興味のある分野とはいえ、かなりの努力が必要だろう。一方、椅子に座っている人達は役者の声の大きさや明瞭さ、コメントなどをチェックシートに書き込む。役者とスタッフですばらしい「模擬裁判」を作り、その中で来場者にうまく問題提起をしたいという気持ちが感じられる練習風景だった。「祭」はただ騒ぐためだけの場ではない。このように真剣に社会問題と向き合うのも、東京大学らしい「祭」に欠かせないファクターであるといえるのではないだろうか。(担当:鈴木)


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