公開講座
駒場祭では例年、本学(特に教養学部)の「知」を発信する場として、東京大学の教員による公開講座を行なっております。これは教養学部の学術的成果を外部からの来場者に対して広く還元してゆく場として、駒場祭委員会が開催しているものです。
今年は「多様な知の祭典−教養への入口−」というテーマを企画しております。これは学問分野に拘らず多彩な知の側面を学ぶ、学問どうしが有機的につながって教養を形成してゆく、という意味です。教養学部の、学際的な研究によって大局的な視野を養うという理念のもと、それを講演会のような形ではなく、親しみやすい公開授業によって一般の来場者に体験して貰うのが目的です。より身近に感じていただけるように、今年は通常の講義に加えてゼミ形式での授業も設けましたので、ぜひお越し下さい。藤垣裕子先生・田中純先生に講義を、船曳建夫先生・渡邊雄一郎先生・石井直方先生にゼミを行なっていただきます。
※講義・ゼミとも事前予約等は必要ありません。当日直接教室にお越しください。
藤垣 裕子 先生
- 1985年東京大学教養学部卒業
- 1990年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了、学術博士
- 2000年東京大学大学院総合文化研究科准教授
[講義] 科学技術と社会−私たちにできること−
22日(土) 12:30〜14:00 523教室
| 現代社会において科学/技術の発展はめざましく、生活の隅々にまで浸透し、かつ社会およびその構成員一人一人の安全やリスクに直結する形ですすんでいる。遺伝子組換え食品や狂牛病の危険のある牛の規制をどうするかなど、今日の科学技術と社会の接点では、科学者に必ずしも答えが出せない段階で、社会としての意思決定をおこなわねばならない場面が増えてきている。今後の科学技術のガバナンスはどうあるべきなのだろうか。そこに市民はどのように関与すべきなのだろうか。欧州における市民参加の例や、英国のナノジュリー(ナノテクノロジーに対する市民陪審)の例を参考に、日本における今後の科学技術のガバナンスについて考えてみよう。 |
田中 純 先生
- 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了、博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻准教授。
[講義] 都市の詩学──都市・建築・詩
23日(日) 12:30〜14:00 523教室
| イタリアの建築家アルド・ロッシ(1931-1997)の作品を中心に、都市・建築・詩をめぐる想像力の論理についてお話しします。眼に見える姿ばかりが都市や建築なのではありません。それぞれの都市・建築にはそれぞれの闇があり、音があり、匂いがあり、肌触りがあります。さらには、ロッシの建築のように、遠い記憶やかすかな予感まで喚起することさえあります。ここで考えたいのは、都市・建築に漂うそんな定かでない過去の痕跡や未来の兆しまでとらえる試みとしての、「都市の詩学」の可能性です。都市・建築論から出発し、詩や幼年時代の回想記といった文学作品、写真などを取り上げ、視聴覚資料を用いて、この詩学を解説する予定です。 |
船曳 建夫 先生
- 1948年、東京生まれ。文化人類学者。東京大学教養学部教養学科卒。ケンブリッジ大学大学院社会人類学博士課程にてPh. D. 取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。
[ゼミ] 小説『三四郎』から見る「東大生」と日本社会
22日(土) 15:30〜17:00 コミュニケーションプラザ多目的室3
| 夏目漱石の『三四郎』は、1908年に書かれた、東大の新入生、三四郎が主人公の小説です。彼を100年後のいまの東大生と比べてみると、男子学生、女子学生を問わず、面白いほどの共通点が見られます。それは、「日本人」という人間が変わっていないからとも言えますが、私は、「東大生」をめぐる「日本社会」が変わっていないから、と、とらえています。それを前提として、この100年変わっていない日本社会とはどのような社会なのか。そして、それでも起きつつある変化は、どのあたりから始まっているのか。そうしたことを、『三四郎』をテキストに、ゼミナールの形式で議論したいと思います。参加者は、『三四郎』を読んで、来て下さい。 |
渡邊 雄一郎 先生
- 東京大学理学部卒業
- 1983.3 東京大学大学院理学系研究科修士課程生物化学専攻修了
- 東京大学大学院理学系研究科博士課程生物化学専攻修了 理学博士
- 1997.04 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系 助教授
- 2006.11 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系 教授
[ゼミ] 植物が生存競争で生き残るためのしくみ
23日(日) 15:30〜16:30 コミュニケーションプラザ多目的室3
| 生物の教科書にはいろいろな事項が並んでいて、暗記もののイメージをもたれているかもしれません。ただそれは新しい言語を覚えるときに単語や文法を学ぶのと同じだと思っています。これらをマスターしたときには、身近な山,川、木々においても新たな発見ができる豊かな人間性も磨くことができるでしょう。今回は私自身が植物を扱いながら、生物の生存戦略を多角的に研究して発見したことをご紹介したいと思います。華麗な姿をした植物は多いですが、見かけは良くても体が弱かったら、生物として生き残る事はできません。見る人を魅了する植物の多彩な形態にも興味を持ちながら、同時にうわべからは見落としてしまう、環境の変化などのストレスに立ち向かう様子を皆さんと一緒に考えたいと思います。 |
石井 直方 先生
- 現職:東京大学大学院総合文化研究科教授、同大学院創成科学研究科教授(兼任)
- 略歴:1955年生まれ、1977年東京大学理学部卒業、1982年同大学大学院理学系研究科修了、理学博士、専門は筋生理学
[ゼミ] 筋肉づくりトレーニングの最新技術
24日(祝) 11:30〜12:30 コミュニケーションプラザ身体運動実習室2
| 筋肉や骨などの運動器の機能を維持・向上することは、スポーツにおいてだけでなく、一般人の健康長寿のためにも必要になってきています。特に、体に過度の負担をかけることなく、効果的、効率的に筋肉をつくる方法が求められています。本講座では、このような目的のために、科学的知見に基づいて開発された、「加圧トレーニング」と「張力維持スロー法」(スロトレ)について、講義と簡単な実習を通じてご紹介します。 |
