東京大学法律相談所は普段どのような活動をしているのですか?

「法律相談所」という名前通り、毎週木曜日と土曜日に外部のお客様をお迎えして学生数人で法律相談を受け、それにお答えしています。また遠隔地で数日間法律相談をお受けする「移動相談」や、日々の相談業務のために勉強をする「研修合宿」など様々な行事を通じて、200名を超える所員が活動しています。
五月祭に向けての準備はいつから行っていますか?
昨年の10月から動き始め、約半年間かけてシナリオを練り上げます。現役の法曹として活躍しているOB・OGの方々からのアドバイスを得ながら、本格的なシナリオや判決文を作成します。実際にキャスト・裁判官として演技する3年生は、本番一ヶ月前の4月に入所するため、演技自体は2〜3週間で練習することになります。
今年扱う事例と、テーマ「プリズム」について教えてください。
第59回模擬裁判では、老人ホームでの虐待に関するテレビ報道と、それを原因とした「名誉毀損」を扱っています。テレビ番組で名誉を傷つけられたと主張する原告老人ホームと、報道は正当なものであると主張する被告テレビ局。老人ホームでの虐待の有無に関して、両者が主張する事実は全く異なっています。ホームの責任者、職員、被害者とその親族、テレビ局、それぞれに思惑があります。プリズムとは比喩的に「事実の歪曲」を意味しており、本来真実は一つであるはずなのに今回のような当事者ごとに主張する「真実」が異なっているという状況を象徴しています。

模擬裁判の面白さとはなんでしょうか?
私達が目指す「模擬裁判」は、現実の裁判でもなければ裁判劇でもありません。一般の方々にとって実際の裁判は理解しがたいことが多すぎ、一方で裁判劇はあまりに実際の裁判とかけ離れてしまいがちです。一般の方々に楽しんでいただきつつもメッセージを伝えるべく、私達は実際の裁判の厳格な雰囲気や緊迫感をそのままに、普段法律に馴染みのない方でも理解しやすく、そして裁判や法律を少しでも身近に感じて頂けるような作品を創ろうと準備を行っています。
最後に、五月祭への意気込み、来場者の方へのメッセージをお願いします。
私ども東京大学法律相談所の模擬裁判は今年で第59回目を迎えます。五月祭においてかなり伝統のある企画となっていますが、これまでのどの模擬裁判よりも、そして今年の五月祭のどの企画よりも面白いものを創ろうという心意気で準備を進めています。
介護の大変さ、虐待、メディアの役割・・・模擬裁判を通じて現代社会における様々な問題について考えて頂ける機会を作ることが出来ましたら幸いです。皆様お誘い合わせの上、是非ともお越し下さい!
東京大学法律相談所による今回の模擬裁判では「報道」を取り扱うということで、実際に裁判で使われるVTRを自分達で作成するほど力の入ったものになっているようです。
本物の裁判のような雰囲気を演出する迫真の演技にも期待!